アート オブ オーラル・サイエンス(ART OF ORAL SCIENCE)


最初にこの言葉に出会ったのは、AOSの発足から3年も前のことでした。
“私たち歯科医療スタッフが、医療という場において、過去から現在、そして未来に向けて日常的に共通して行っていることは何なのか…”そんな漠然とした自問の思いの中からぼんやりと私の頭に浮かんだ言葉が、「口腔科学の技術・芸術(アート オブ オーラル・サイエンス)」という言葉でした。
私たち医療スタッフは“医学・医療・医業”に従事し生きています。「口腔科学の技術・芸術」を高めようとするならば、私たちはこの3つの“医”について学び続けなければならないといえるでしょう。
私たちAOS勉強会が目指すことは正にここにあるといえます。お互いに知識と経験を供給し合う仲間たち、歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の違う立場の三者が、学ぶ場において同志となって高め合い、相互依存できる関係性を構築することができれば、各々の立場からだけではなかなか学び得ることのできない“医”について習得することができます。私たちが一人で知り得ること、出来得ることには限りがあります。
私たち一人一人が知り得た情報・経験は、一人でも多くのものが共有して影響し合い、高め合う。そうする営みが“医”に還元され、患者を通して社会に貢献することへと繋がっていくと信じているからです。一言に“チーム医療”というのは簡単でも、相互理解を深める営みなくして成し得ません。
私たち会員一人一人が勉強会にとって大変貴重な知的財産であるといえます。皆それぞれ多様な医学知識、医療経験、医業技術を持って集まってきます。
会員全員が主体・主役と成り得るAOSとは、一人一人の会員が成長し作り上げていく勉強会なのです。
AOS理事会は、会員全員のためのアート オブ オーラル・サイエンスとは何なのかを考え、企画運営し活動していけることを日々目指しています。
AOSの活動の中心に、インプラントがあります。近年、インプラントロジー、インプラントセラピー、インプラントテクノロジーの進展には目覚ましいものがあります。私たち医療スタッフがこのインプラントについて、どのように関わってゆくべきかについては、移り変わりが激しく大変難しい問題となっております。
インプラントは10年ほど前までに長期安定性についての信用を獲得いたしました。そして、この10年間でインプラントの即時性や審美性について注目されてまいりました。
しかし、最近になってこの即時性・審美性への取り組みから起こる失敗が急増し始めております。今私たちに求められていることは何なのか。安全性・確実性・信頼性を約束されたインプラント治療をどのようにしたら患者に提供することができるのか・・・。
様々な角度からインプラントの未来について考えてゆきたいと思います。
現在、学会主体となって専門医制度などの取り組みも推し進められてきております。私たちAOSは会員のそうした取り組みへの支援も行ってゆきたいと考えています。

AOS Japan 最高顧問 高橋 恭久